焙煎について  小型焙煎機による焙煎

 コーヒーの味がある程度、分解して感じる事が出来る。
コーヒーを思ったような味に淹れられる。
(全く同じコーヒー豆を使って違った味のコーヒーが意図的に淹れられる。)

以上をクリアーしてからの焙煎をお奨めします。

(焙煎はコーヒーの味を複雑に変化させる為に、上記2点を理解せずに行うと、楽しさ
より失敗の方が多くなり、結果遠回りをしてしまうことになります。)

 コーヒーの焙煎は点て方よりも更に奥行きが深い物です。
初めて自分自身で焙煎した、コーヒーを飲んだときの感動 ・ ・  ・ ・
このことは、「自分で焙煎した。」と言う心の働きが一層おいしさを増幅させるのと思い
ます。
 私自身、焙煎を始めた頃は簡単だなという思いがありました。
しかし、ある時全く解らなくなってしまう時がありました。
いつもと変わらず焼いているつもりが、焼け方が違うのです。
もちろん同じ豆を焙煎して、味が別な物になるのです。
(今でもばらつきはありますし、まったく同じ味になるわけがないのですが。)
 コーヒーの味は豆に熱を加えることによって、糖類をキャラメル質(甘味・苦味・芳香
が大きく変化する)に変えたり、酸類を  変えたりと言った化学反応を起こさせること
によって引き出します。
この化学変化と言うのがくせ者なのです。よりよい化学変化を求めると一瞬のタイミン
グのズレやちょっとした熱量の違いが、後で大きな違いとなって現れてきます。(人間の
感じるズレは少なくても、豆自身が感じているズレが大きい)
 特に、ハンドローストの時や小さい焙煎では、豆の体積に対して表面積が大きいため
外からの要因をもろに受けてしまいます。全体の熱量(初期の豆の温度・室温・ガス
圧・炎との距離・振るスピードなど)を考えながら焙煎してください。

焙煎深度

 現在、日本では焙煎深度を8段階に識別しています。
 しかし、手動調節の焙煎機で豆の個性を充分に引き出そうとすると、焼き色と
味にずれが出てきます。
今までの8段階の焼き色にこだわってしまうと、味や香りにつじつまが合わない部
分が出来てしまいます。
 ハーモニーでは現在、シティーロスト・フルシティーロスト・フレンチロースト・イタ
リアンローストの4段階に味・香りによって段階分けしています。
 
シティー

ロスト

 各豆が本来持っている香りを一番発揮し、渋味成分
をなるべく抑えた段階。
フル シティー

ロスト

 渋味成分を燃焼させコクを充分引き出し、ロースト香
を出していない段階。
フレンチ

ロースト

ロースト香を出し、微量の酸味を残し深い味わい。
イタリアン

ロースト

ロースト香を出し、苦味・甘み以外の味を燃焼させた味。

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焙煎後のハンドピック
 
抽出したときに全体の味を落としてしまう可能性がある豆
煎りムラ・焙煎前に取り除けなかった欠点豆
苦味(焦げた)が強くなる豆
煎りムラ(全体に)(表面や杯芽部のスポット)
 
  Hand Roasted(家庭での焙煎方法)
  T o o l
 
フライパン又は銀杏煎りフライパン(フッ素加工してないモノ)

 内側をよく洗い、逆さまにして空焼きして、完全に油分を除去して使います。

4kg缶厚み10cmの輪切り

 銀杏煎りなど直接炎が豆に触れるモノを使うときに、ガス台の上に置く。
熱を外に逃がさない為に置き(市販品はありません。自作して下さい)ます。
 
銀杏煎り ストップ ウォッチ 鉄製クリップ×2
ホームセンター・東急ハンズなどで販売しています。大きめのモノを購入して下さい。 銀杏煎りのフタを固定するのに使います。
 

缶の切断

マジックを固定する 線を書く 回しながら金鋸で切断する
 マジックのペン先を、下から約10cmになるように台を置き固定する。  缶の開口部を下向きにして、マジックの前に置く。缶をまわして線を書く。  缶を回しながら線に沿って切断。多少の歪みは問題ありません。
 切断面で手を切らないように気を付けて下さい。出来れば5mm幅位をプライヤーなどで内側に曲げると安全です。

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Material(Green)
 
  生豆は小さな袋売りで東急ハンズや輸入食材店で購入できます。
又、良質の豆は、自家焙煎店を当たってみて下さい。
 銀杏煎りやフライパンなどの撹拌装置の無い物はフラットビーンズ(片側が扁平の
豆)よりピーベリー(全体が丸い豆)の方が、焼きムラが出来にくいです。
 ニュークロップ(収穫して1年未満の豆)より水分の抜けたパーストクロップ(収穫して
2年以上3年未満の豆)/オールドビーンズ(収穫して3年以上の豆)の方が焙煎しや
すいです。
 通常、良質とされている中米産のよく引き締まっている豆(グアテマラやコスタリカ)は
芯までムラ無く焙煎することが難しく、モカやブラジルなどアンウォシュドが焙煎しやす
いです。
モカは個々の豆のムラ(芯まで均一)が少なく焼けますが、全体にムラ(個々の含水量
が違うため)の多い焼け方をします。焙煎後のハンドピックは欠かせません!
ジャバロブスターも非常に焙煎しずらい豆の1つです。
  How to
  火力調節(豆が受けるカロリー)
 

☆コックの調節

ガスの量を増やすとカロリーが増す。
目測と実際の量の誤差が大きく、微調整しにくい。
 

☆炎との距離の調節

距離を広げると、豆が吸収するカロリーが減少する。
比較的調節しやすい。
 

☆攪拌するスピードの調節

スピードを速くすると、豆が吸収するカロリーが減少する。
スピードが遅すぎると、ムラ焼けする。速すぎると焼き上がる時間が長くなってしまう。

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  どの様な焙煎度合いでも20分以内で終了できるように調節する。
カロリー調節を頻繁にするガス量・炎との距離・振るスピードの加減がいつまでも
把握できません。
何回かの失敗を覚悟して高めのカロリー調節で焙煎を覚えた方が、結果失敗が
少なくすみます。
 

常に豆の状態を把握することが焙煎の上達の近道!!

 焙煎は“される”動作ではなく“する”動作です。
10分経ったら1ハゼになりました。13分で1ハゼが終了しました。と状態の経過
をおっていても良い焙煎は得られません!
この豆は10分で1ハゼがくるように・13分で終了するようにROASTER(焙煎
する人)自身が調節する事によって生豆を煎り豆に育てる行為です。
 
底部の空焼きをする

フタを開けて生豆を入れる
 
 網の部分にピッチ・タール(油分の焦げ
付き)が付着して中が見えにくい時は、空
焼きをする。
金網の部分が赤くなるまで焼くと、冷却後
は白くなり内部が見やすくなる。
 容器に対して豆が多いと撹拌できずに
ムラが出来る。
コーヒー豆は焙煎が進むと膨張して体積
が増えるので底に並べて1/3程度空くよ
うにする。
 
フタの左右をクリップで止める

上下を逆さまにする

   
柄の位置が下がり、長時間持っていても疲
れが少ないです。
 
レンジに缶を乗せて、火を付ける

ストップウォッlチで計測開始とともに

    煎り始める(極細火)

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5〜6分後、距離を少し離し、強火に

   する

8〜9分後

  強火のガスの量は・・・焙煎開始から8〜9分で黄色くなる程度を目安とする。
 
豆の色はほとんど変わらず。
1ハゼが始まるまでそのままの位置で振り
続ける。
黄色く色付く。
中火にしてからのカロリー調節は、距離
や振るスピードで行う。
 
1ハゼが始まったら、中火にする
1ハゼ終了時点がハイ〜シティーロ

    ースト

 
茶色く色付き、パチパチっと爆ぜる音がす
る。
中火のガスの量は・・・焙煎開始から13分
前後で1ハゼが終了する程度。
好みに合わせて煎り止めにする
少し浅めの色で煎り止めをする。
(焙煎度合いによって違う。)
 
 
豆を均等にばらつかせて暫く放置し

   て水分をとばす

ざるに空け、冷却する

 

放 置 時 間

シティーロースト以下 1.5〜2分
フルシティーロースト 1分
フレンチロースト 30秒
イタリアンロースト 0秒
 冷やしながら煎りムラ・割れかけ豆をハ
ンドピックする。豆が完全に冷えてから密
閉容器に保存する。

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