コーヒーには幅がある
一言で、コーヒーと片づけてしまえない程に、色々な味があります。
アルコールを例にとってみましょう。
ビールがあったり、日本酒があったり、ワインがあったり、蒸留酒があったりして、お酒というカテゴリーの中にもそれぞれの個性があり、飲み方もそれぞれ違います。
また、カクテルなどのアレンジしたアルコール飲料までを“お酒”として、1つのカテゴリーに捉えています。
アルコール 飲料はカテゴリーによって原料の異なるモノが多く、当然そのテイスト
に違いが出来る。と言うことは比較的理解しやすいのだと思います。
アルコールの中でも、パッケージ開封後の経時変化は炭酸ガス含有のモノやワインは比較的顕著に現れます。
しかし、製品化されたテイストから全く味が変わってしまう。と言うことは、あまり起こりません。
コーヒーの場合は、すべてがコーヒーの樹の種子を原料としているのにも関わらず、原料・焙煎時の熱の加え方等・抽出の方法によって、アルコール 飲料のカテゴリーに匹敵する味の幅がある。と言えるのです。
また、抽出という製造工程を経なければ、味わうことが出来ない。という部分ではアルコール 飲料と大きく違います。
紅茶や緑茶・中国茶でも、抽出によって味が変わることは知られていますが、Keyとなる部分は抽出温度と時間(つけ込み時間)の設定です。
コーヒーのドリップの場合は、温度の設定は勿論、抽出時間の設定は豆の成分によって粉の粒度・注ぎ方を調節しなければなりません。
エスプレッソでも豆の成分によって粉の粒度・粉の量・タンピング圧を設定して抽出時間を調節し、味を作ってゆきます。
比較的抽出が易しいとされるサイフォンですら、器具の特性を知り方法を見定めなければ決して望み通りの味に抽出することは出来ません。
また、経時変化も製品パッケージが未開封のままでも起こり、抽出後は非常に激しい変化を起こします。
ただし、この変化はすべて劣化方向に向かうわけではありません。
ワインも開栓して空気に触れさせることで、香りが出てきたり、コクが出てきたり、マイルドになったりと時間が経つと必ずしも悪い方に変化とは限らないのと同様、良い変化も当然含まれます。
これほど大きな味覚の振れ幅や製造行程まで関与する飲み物は他をしても見あたらないと思います。
それが故に美味しいコーヒーには幅がある。
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