当店の焙煎深度表示と
焙煎ディレクション(焙煎をする時に設定各種を操作すること
一般的な深度表示と異なり、独自の視点を持って表しています。
  シティーロースト ・・・ 1ハゼ後半〜2ハゼ前/最も酸味を表す段階
  フルシティーロースト ・・・ 2ハゼ前半/深煎りのテイストが出始めた段階
フレンチロースト ・・・ 2ハゼ中盤
  イタリアンロースト ・・・ 2ハゼ後半/深煎りのテイストが主体ですが、酸味を残した
 
 コーヒー豆は、コーヒーの樹が子孫を残すために自身が生み出す生命体です。ですから人間が生み出しているモノではありません。そうした生命体のコーヒー豆は、環境によって自身の性質を変化させます。発芽して順調に生育できる条件の時と生育できない場合とでは、焙煎時の熱の伝わり方が明らかに異なります。しかし焙煎をするほとんどの方は、自身の方法を押し付けたディレクションを揮います。コーヒー豆が手元に届き、そうした固定ディレクションしか揮えないと、ある時からテイストの急降下を感じることがあります。そうしたシチュエーションに出くわすと、豆が劣化したと評価します。しかしそれは相手の変化に追従しようとするディレクションを振るわなかったからです。当店の焙煎ディレクションを揮う時は前回のそれを参考に、現時点のコーヒー豆がどの方向性を向いているのかを常に考慮しながら変化させてゆきます。焙煎して生成される成分は、そうしたコーヒー豆の変化が必ず悪い方向や良い方向を示すわけではありません。しかし適切な生豆の保存方法を取っていなければ、劣化するのは当たり前です。そうした事は、煎り豆の煎り豆の保存環境よりシビアになります。
 また前述したように生豆の性質は変化してゆくので、焙煎豆のテイスト安定化を初めに目指すと、優れてでき上がる成分は必要とされません。安定化を図る手法が、テイストに表すlowの部分をカットさせようとすると、同時にhighの部分もカットされ味気ないものに仕上げるからです。ハーモニーではカットするのではなく、生成されないようにディレクションを揮っています。ですからどの豆も濃厚な味わいとなっています。その為、60℃以下の超低温抽出をしてもしっかり成分が持ち出されます。