油分の滲みを抑える焙煎
最初の質問 最終更新日
’00.05.08 ’00.08.21
栃木県の小島様よりご質問戴き、チーフの黒澤が答えました。
question  小島様
はじめまして。
小さな焙煎工場に勤務する者です。
「小型焙煎機による焙煎」のページ、とても興味深く拝見しました。
特に水分の蒸発のグラフはすごく勉強になりました。目からうろこ...って感じ。(・o・)
油についてはいかがでしょうか。
最近、わりと深焼きなのに、ギトギトしていない豆を見かけます。
焼き方を少し変えたくらいでは、油の出を抑えられません。なにか特殊な技で もある
のでしょうか。
ぶしつけな質問で恐縮ですが、御存知でしたら教えて下さい。
answer 黒澤
はじめまして。
自家焙煎珈琲ハーモニーの黒澤です。
さてご質問の件ですが、2つの方法が考えられます。
豆の表面に滲む油分を抑える焙煎と1度滲んだ油分を更に焼きこんで蒸発 させてし
まう焙煎です。
前記のモノは1はぜ終了後から通常の火力より弱火にしてゆっくり時間を掛け て焙煎
します。
後記のモノは2はぜ(油分が滲んでくるまで)まで通常の焙煎を行い、 その後、通常の
火力より弱火にして油分を焼却するまで焼きこみます(イタリアンの近くまで)。
前記のどちらの焙煎も時間がかかってしまうために、芳香が悪くなります。
油分が表面に滲んだからといって味に悪影響はありません。
ただし、その次に焙煎する豆には、ドラムに付着した油分が燃焼して゛こげ臭”の原因
になるので、特にフレンチロースト以上に焙煎した豆の後は、あらかじ め捨て焙煎な
どして油分を燃焼させてから行って下さい!
油分が表面に滲んでくるのは、はぜと密接な関係があるようです。
油の沸点の温度まで一気に上げると、はぜが激しくおこり中から外に勢いよ く出てく
るのではないかと考えています。
はぜのコントロールが出来ると焙煎(味)が思うようになります。
焙煎時のはぜの音に気をつけて(臭いをかぎながら)焙煎してください。
result  小島様
貴重なアドバイスを頂き、ありがとうございました。
いろいろ試した結果、おかげさまでひとつだけ油のにじみが少ない豆が焼けました。
再現性と風味の点でまだフィニッシュというわけにはいきませんが、だんだん 感触が
つかめてきたような気がしてます。
火力の絞り加減がなかなか一定にならないので、会社にお願いして、古い3K釜にガ
ス圧計なんかつけちゃいました。
少しは役に立つといいんだけど。

Page Top

Go Back