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  “芳香(アロマもしくはロースト香)が強い”  
  香りがなければコーヒーの魅力は、半減してしまうことでしょう。  
  通常、テイストは“味覚”と“嗅覚”の二つの感覚器官が受けた刺激信号を、脳で一  
  つのイメージとして捉えたものです。  
  どちらの要素が欠けても“こころよいテイスト”と感じるモノにはなりません。  
  ちなみに、原液のバニラエッセンスを口に入れても、香りからくるイメージとはかけ  
  離れており、苦いだけで全く快いモノではありません。  
   さて、生豆の中には、好ましく思わない香り成分があります。  
  また、焙煎の仕方によって好ましく思わない香り成分が生成される可能性もありま  
  す。  
  ここちよく感じる成分は、主に焙煎行程の加熱によって生成されます。  
  前者の成分を上手くけしさり、後者の成分をより魅力的に、バランスよく整えるのが  
  焙煎。と言う行程です。  
  また、こころよく感じる成分をアロマとロースト香に大別できます。  
  前者は浅煎りまでに生成されるそれぞれの独自性の香りです。  
  一方、後者は豆の種類を問わず焙煎進度を深くして行くと、同じような(アロマとの  
  バランスの違いによって差異を感じる)香ばしい香りが出現してきます。  
  これらの香りの強さは、原料の善し悪しだけでは表現し切れません。  
  と、同時に焼き色だけでは判断が出来ません。(後述、豆と焙煎の話を参照)  
  如何により良い芳香の成分がピークに達するように、焙煎時に適切な設定を出来  
  るかが、大きなポイントになります。  
  * ロースト香は焦げ臭や燻り臭とは異なります。実験や検査をしたわけではありま  
  せんので、確実なことではありませんが、各糖類がキャラメル質に変化したキャラメ  
  ル質自体の香り、もしくはその時、一緒に形成された物質自体の香りを指します。  
  * 焦げ臭は焙煎時、豆に偏った熱が加わり、豆のどこか(やり方で部位や範囲は  
  変わる)で焦げが発生した為に起こります。  
  特に油分を焦がすと、顕著に表れます。  
  * 燻り臭は、煤煙が豆の表面に付着した事で起こります。  
  (但し、焙煎後、数日で揮発するので、問題視が過ぎると他のデメリットを生じさせ  
  ます。)