ドンゴロス=麻袋・・・生豆が輸入されるときに入れられる麻袋。 |
マスメディア等でドンゴロスのSDGsに紹介されているほとんどは、ハンドバック類です。 |
そうした利用方法はあまり面白みがないと感じます。何故なら、ドンゴロスもバック類に |
属するからです。全く異なった利用方法を採れる事へ、より大きな意味を持つことだと |
私は考えるからです。 |
乾 漆 |
仏像や陣笠などに用いる技法の漆芸品。 |
美濃紙や麻布を糊漆で接着した骨材に、パテの三辺地漆を塗って成形。その後生漆 |
などで目留め、装飾をします。 |
軽く丈夫に出来るので、火災の時に木彫や金属鋳造の仏像より短時間で搬出、非難 |
させる事ができました。 |
美濃紙・・・楮の樹皮繊維を使った和紙。 |
|
楮・・・くわ科の低木。繊維は粘り強く丈夫。 |
麻布・・・リネン(亜麻)、ラミー(苧麻)、ヘンプ(大麻)などの繊維で織った布。 |
麻・・・あさ科の1年草の総称。繊維は丈夫で張りがある。 |
糊漆・・・米糊と漆を混ぜた接着剤。 |
三辺地漆・・・糊漆に地粉と錆び漆を混ぜたパテ。 |
地粉・・・珪藻土を焼き、多孔質状の微粒粉。 |
珪藻土・・・大量の珪藻(植物性プランクトン)が死滅して非常に長い時間を掛けて堆積して出来たもの。 |
錆び漆・・・砥の粉と水を混ぜたものに漆を混ぜたもの。 |
通常乾漆に使う麻布は、ドンゴロスの生地より薄く、目の粗い麻布を使って |
作ります。その方が柔軟なので、オス型に沿わせて皺ができずに綺麗に成形 |
できます。一方ドンゴロスは厚みがあり、目が詰まっています。またドンゴロス |
は、産地によって厚みや目の粗さが違い、全てが乾漆の材料に出来るわけ |
ではありません。さらに最近の素材傾向ではナイロンを織り交ぜた物もあり、 |
そうしたものは不向きです。そうした事から、ドンゴロスを使い張るにはコツ |
がいります。
|
また漆を乾燥させるには、温度と湿度の条件を整えないといつまでたって |
も硬化しない為、家庭等の条件で乾燥させるには季節を選ばさせられます。 |
最短制作工程 |
@ 粘土や石膏でオス型を作る。 |
A オス型の上に離型剤を塗り、乾燥。 |
B 離型剤の上に三辺地漆を塗り乾燥。 |
C 表面をサンドペーパーで研ぐ。 |
D 上から糊漆を塗り美濃紙を張る×2。乾燥。 |
E 表面をサンドペーパーで研ぐ。 |
F D〜Eの工程を2〜5回繰り返す。 |
G 離型剤の上に三辺地漆を塗り乾燥。 |
H 三辺地漆を塗り乾燥。 |
I 表面をサンドペーパーで研ぐ。 |
J G〜Iの工程を2〜4回繰り返す。 |
K 口縁を上部にするための布着せ。(口縁部に麻布を糊漆で張る。) |
L 布着せ部に錆び漆を塗り、乾燥。 |
M 表面をサンドペーパーで研ぐ。 |
N 上から生漆を塗って乾燥。 |
完 成 |
|
野点椀 |
抹茶椀 |
|
|
銘 |
吾 |
唯 |
|
合鹿椀 |
合鹿椀 |
|
|
銘 |
竹節 |
星 |
|