Production Process

 佐賀県 の磁石小片(現在の有田焼は天草産の磁石を使用しています。)

 実際に磁器の原料とするのは鉄分の少ない白いモノ。
(一般的には陶石と言う方を多く使用しますが、磁石の方がし
っくりと来ると思います。)

磁石を磁土にする

 磁石を砕き、パウダー状になるまで細かくします。
水を加えて、粒子をそろえ空気を抜きながら粘土状に練り上
げます。

磁器の製造工程

成形と乾燥・ ・ ・  磁土をろくろや鋳型を使って成形します。現在、コーヒーカップはほと
んど鋳型を使った射込みで成形しています。
素焼き時のひび・割れを防ぐために充分に乾燥させます。
素焼き・ ・ ・ ・ ・  よく使われている素焼きの焼き物と言う表現があります。植木鉢など
釉薬のかかっていないモノを一般的に指しているようですが、乾燥した
だけの生の生地は、脆く絵付けしたり釉掛けをする間に破損してしまい
ます。
 素焼きは生地にある程度の強度を持たせるため、低温で焼く事(焼い
たモノ)を指します。
下絵付けと施釉・  素焼きを行ったモノに、直接絵付けをします。
高温で発色せせる(顔料が燃焼しない)コバルト・鉄系の顔料を使いま
  す。
(本焼き後、青や黒に発色)市川光山窯のように線のビビリ・合わせ目
を分からなくさせるには、素焼き後の磁胎を滑らかに研磨します。
 下絵付けの上から釉薬を掛けます。
 
本焼き・ ・ ・ ・ ・  1300以上 の高温で焼成します。カップは窯に入れるときの向きに
  よって釉薬の付き方に特徴が出ます。
 
上向きで窯に入れると   下向きで窯に入れると
 
 高台の底面は釉薬が付かずザラつきます。    口に釉薬が付かずザラつきます。
ソーサーにザラついた面が当たり、傷を付け   ザラついた口の所は汚れが付着しやす
ます。   いです。
主なMaker マイセン・ヘレンド・スポード   主なMaker アビラント・アウガルデン・
・ウエッジ ウッド・ロイヤルクラウンダービー   ロイヤル コペンハーゲン・リチャードジノリ
 
 中には1度下向きで焼いてから、釉薬をかけ直して上向きで焼いているモノもあります。
(市川光山窯の円筒形の珈琲茶碗やロイヤル コペンハーゲンのフルレースなど

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上絵付け・・・・・・  本焼きでは色焼けしてしまう顔料を釉の上から描きます。金細のあるモ
ノは更に低温で焼くのでその前に1度上絵窯に入れて焼きます。
上絵窯・・・・・・・  700〜800の低温で焼成。
  完 成
  成形後・素焼き後・完成品
 左の写真、は完成品の原型です。
からの本焼きの行程で一回り小さく焼き締まります。
乾燥後の1度も焼いていない生地です。指で弾くと陶器の
ように、にぶい音がします。
素焼き後のモノで、より堅い音がします。
完成品で磁器特有の高い音がします。

 

絵付けの色々・・  主に絵付けは手書き・判印・プリントに分けられます。
  技術面や生産コスト・生産量によってそれぞれの窯の特色が出ていま
  す。
 
手描き・・・・・・・  絵付けの中ではすべての面で一番制約を受けるのが筆による手描
  きです。
  上記に記したように、下絵・上絵付けに分かれますが、ヨーロッパで下絵
  付け(染め付け)は、マイセンのブルーオニオンやR.コペンハーゲンのブ
  ルーフルテッドのシリーズが有名です。
 

手書きのカップ色々

 
市川光山 マイセン R ウースター ヘレンド
3kb 14kb 15kb 17kb

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判印(銅板転写)・ ・ 生産性・コストを重視するようになるとやはり手描きでは、限界が

スポード

48kb

あります。
銅板などで転写版を作り、印刷します。

 

 
プリント ・ ・ ・ ・  更に生産性を上げるシールによるプリントに発展しました。
  このことにより生産性は飛躍的にのびました。
 
R アルバート R ジノリ ミントン レイノー R ウースター
21kb 16kb 22kb 18kb 22kb
 
  プリント柄の物も手描きの部分を加えることによっていい雰囲気を出している物も多くあ
ります。
 ハンドル部分はポイントで手描きの部分を付け足した物がよく分かります。

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