CLASSIFICATION 

 陶磁器という名称は、焼き物総称として使われています。
その分類は原料から陶器と磁器に分かれ、更に色々な細分化方法があります。
コーヒー・ティー カップでは、陶器(アーザン ウェアー)・せっ器(ストーン ウェアー)・磁器

(ポーセリン)・ボーンチャイナの4分類にすることが多いです。

陶器(アーザン ウェアー)
 粘土(陶土)を整形して800〜1000の比較的低温の窯で焼成します。
吸水性を抑え事。装飾の為に釉薬を掛けて焼きます。
 輸入品には見あたりませんが、日本では国産陶器を好んで使われる方も多いようで
す。
ハーモニーでは褐色の陶器にコーヒーを入れると、更に冷暗色になり映えなくなると考
えているので該当するモノがありません。

せっ器(ストーン ウェアー)

 元々、日本に“せっ器”と言う考えのモノがありませんでした。
ヨーロッパで言われているストーン ウェアーとは、陶土(ほとんど白色)を1100〜
1300の 高温で硬く焼いたモノ。
吸水性がなく、指(爪)で弾くと高い澄んだ音になります。そのほとんどのモノ(ヨーロッパ
では)に釉薬が掛けられていますが、世界的に有名なウェッジウッドの“ジャスパーウェ
アー”は無釉です。(ヨーロッパからの発展で説明。)
 
ウェッジウッド スポード R コペンハーゲン ジアン
 

はみ出し 焼き締め

 日本(和食器)でせっ器を分類すると、“焼き締め”と言う無釉陶器を指します。
やはり陶土を高温で焼きます。高温で耐えられる陶土でしか作れません。
ほとんどが有色のモノです。
備前・常滑・信楽・伊賀焼きに見られます。
 
 

すえき

はみ出し 須恵器
 植木鉢などの無釉土器を指します。
せっ器・陶器より低温で焼いたモノで、吸水性があります。
(広義では陶器に分類されます。)

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磁器(ポーセリン)

 磁石(カオリン)に長石・石英を調合して粘土(磁土)を作り(詳しくは製造工程に 記
載)、整形してから1300〜1500という非常に高温で焼成したモノ。
 ヨーロッパではなかなか原料が見つからず、ドイツのマイセンが初めて焼成に成功し
たことはあまりにも有名です。
肉厚が薄くライトにすかすと模様が透けます。

 

カオリン 

 カオリナイト(花崗岩や石英斑岩が分解して集まったモノ)を主
成分にして、雲母・長石・珪石などが程良く混ざったモノ。
 
マイセン R コペンハーゲン R ジノリ 源右衛門窯
 

はみ出し  青磁

青磁は中国で人工で翡翠を作ろうとして出来たモノ。 
灰を原料とした釉薬を還元炎焼成によって淡い青緑色に発色させた磁器。

還元炎焼成

本焼き時、窯内の酸素を減らして、釉薬内の酸素が失われ固有の色を発色する。

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ボーンチャイナ(軟質磁器)

  イギリスでは良質の磁石が発見できず、磁器焼成発見の課程で出来たモノです。
 白色陶土の中に牛の骨灰を混ぜて焼成する技法です。
骨灰の中の成分燐酸カルシュウムがガラス質となり、磁器の性質に近くなります。
硬質磁器は洗練されたシャープな感じを受け、人によっては冷たさを感じます。
それに比べてボーンチャイナは肉厚が厚く、暖かみのある風合いになり、磁器よりこち
らを好む方もおられます。
ローヤル クラウン ダービーのモノは比較的薄手です。
主にイギリスで生産され、現在は日本ノリタケやイタリアのリチャード ジノリでも生産され
ています。
スポード ウェッジウッド R C ダービー R ジノリ
 

はみ出し 窯の名前と資本

 最近、日本でも当たり前になってきた一流企業の買収。
 窯業界は技術面のコストが高く採算ベースに乗せにくい企業体質なので、買収の
繰り返しや廃窯に追い込まれた窯も多くあります。
 王侯貴族が庇護していた窯も多く、やはり資金面で融通の聞いた窯は技術的に
優れたモノを多く輩出してきました。
 イギリスのロイヤル ドルトンはミントン・ロイヤル クラゥン ダービー・ロイヤル ウ
ースター・ロイヤル アルバートを資本傘下に従えています。
 

見分け方

 現在のモノは品質が良く分りやすいですが、古いモノは不純物が多く見た目で
すぐ判断が付かないモノがあります。
  指で弾いた音 透光性 釉薬 吸水性
アーザン ウェアー 低い 褐色のモノが多い なし

施釉

あり
ストーン ウェアー 高い ネズミ色に近い白が多い なし
無釉 どちら
施釉 もある
なし
ポーセリン 高い ブルーに近い白が多い あり 施釉 なし
ボーンチャイナ 高い クリームがかった白が多い 少し 施釉 なし

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透光性

 器を光に当てたとき、光りが磁胎を通過して反対側まで到達する性質。 

光を通す仕組み

 本焼きすると磁土に含まれる珪素がガラス化して、磁胎の中で隙間を埋めます。
磁器に光を当てると、そのガラス化したところを光が屈折して、反対側まで到達します。
 
アーザン ウェアー
ストーン ウェアー
 光は釉薬を通過して陶胎表面まで達します
が、中まで進入できず(吸収・反射)、反対側は
黒くなります(内側に光が到達できない)。
 
ポーセリン
ボーンチャイナ
 光は釉薬を通過して磁胎表面に達し、更に中
に出来たガラス質を屈折しながら(あるモノは吸
収・反射されます)内側まで到達します(内側に
光を当てなくても明るくなります)。

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透光性の違い

 

上記写真の取り方

 以下の写真はそれぞれの透光性の比
較をするため、カップの中にデジカメのレ
ンズ部分を入れ、外側からライトを当てて
撮影しています。
ストーン ウェアー
 全く透光性がないためデジカメでは黒く写ります。
スポード

ブルーイタリアン

ウェッジ  ウッド

ジャスパー

 
 
ポーセリン
 磁器の質や厚みによって透過性に違いがありますが、表の模様が透けて
見えます。
 マイセンは全体的に透化しにくい質のようです。
 青磁は釉薬が厚いので、透光性は低くなります。
R コペンハーゲン

フルレース

マイセン

ブルーオニオン

ヘレンド

C G シーン

アウガルデン

ウィンナー ローズ

アビランド

I T ユージェニー

ロイヤル ウースター
イヴシャム ゴールド
市川光山窯

老 梅

市川光山窯

青 磁

源右衛門窯

青磁 柿染め付け

ボーンチャイナ
 厚手のモノが多く、はっきりと模様が透けたモノは少ないです。
R C ダービーは薄手のモノが多く透過性に優れています。
スポード

R クリムゾン

ウェッジ  ウッド

U R P ルビー

R C ダービー

パネルスプレー

 

 

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