| フランス中部に位置する磁器の町リモージュ。 |
| 三世紀頃よりローマ人によって繁栄し、メロヴィング王朝(500〜751)の |
| 頃より 手工業品のエマーユ(七宝焼き)が盛んになりました。 |
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1768年には良質なカオリン(磁器の原料)が(近郊のサン・ティリエ・ラ |
| ・ペルシ ュ)フランスで初めて見つかりました。 |
| フランスの幾つかの窯では1670年頃より磁器焼成に取り組んでいましたが見 |
| つからずに、胎土にソーダ灰(ガラスの原料)などを混ぜた軟質磁器までの製 |
| 造にが、原 料がとどまっていました。 |
| その一つ、セーブル窯(前身 ヴァンセンヌ窯)がここのペーストを用いて |
| 1769年 に硬質磁器の焼成に成功し、次第に生産を伸ばしてゆきます。 |
| 元々、フランスの芸術的センスや王立と言う立場での豊富な資金面が他の磁 |
| 器窯より優位だったので、優れた磁胎を手に入れた事によって、ヨーロッパで |
| 初めて磁器焼成に成功したマイセンをも凌ぐほどの豪華絢爛な名器を数多く |
| 排出しました。 |
| 原料供給源であったリモージュでも1771年に磁器焼成に成功させます。 |
| 当初、絵付けはパリで行う分業性で生産が行われていましたが、1842年に |
| ニュ ーヨークの貿易商だったデビット アビランドはリモージュの地にアビラン |
| ド窯を開き、素地成形から絵付けまで一貫した作業工程を確立し、他、色々 |
| な技術革新をリモージュにもたらしました。 |
| 又、貿易商だった彼は対アメリカへの輸出に力を入れ、開窯からわずかな期 |
| 間でフランスが輸出する磁器の50%をしめるようになりました。 |
| 現在、リモージュの各窯では世界の多くの人々に喜んでもらえるような生産方 |
| 式を採っています。 |
| 一方、セーブル窯では主にフランスからのオフィシャル ギフトとして限定生産 |
| さ れ、一部の愛好家に楽しまれています。 |